厚生労働省はこのほど、産業ごとに各企業で取り組んでいる立ち作業の負担軽減対策の事例紹介を開始した。職場における労働安全衛生の一環で、小売業からは株式会社ダイエー南砂町スナモ店、株式会社アオキスーパーにおける取り組み内容のほか、事業者と現場の販売員の声等を詳しくレポート。同省では、「労働安全衛生規則第615条では、就業中にしばしば座ることのできる機会のある際における椅子の備え付けを事業者に義務付けており、必ずしも座って作業をすることを求めているものではありませんが、今回ご紹介する取り組み事例を参考に、長時間の立ち作業を改善するなど、健康に働ける職場づくりに努めてくださいますようお願いします」と呼び掛けている。
アオキスーパーでは、長時間立ったままのレジ接客の在り方を見直し「レジ接客中に座れるイス」を設置。7月23日にプレスリリースを展開して、会社の認知度向上にもつなげており、現在、従業員の声を集め、全店舗での導入を検討している。
ダイエーでは、スーパーマーケットのレジに、軽く腰を掛けられるイスを設置。接客の合間など、座っての待機を可能にするとともに、顧客に取り組みを周知するため、レジ周辺に理解を求めるポスターを掲示している。試験導入が好評だったこと受け、9月に関東の有人レジのある全79店舗で導入。来年度以降、近畿の全店舗でも導入する予定となっている。また、足腰の負担軽減対策でレジの足元にクッション性のあるマットを設置したほか、可動式の陳列棚を導入。品出しの作業効率を上げるとともに、中腰姿勢の時間削減で腰痛対策につなげている。